NFTアートとは
NFTとはNon Fungible Tokenの略で非代替トークンという意味です。
仮想通貨の技術であるブロックチェーンを活用した
デジタル資産の1種であり、コピー不可能で唯一性がある特徴があります。
NFTの技術を活用したNFTアートと呼ばれるものが存在します。
NFTアートというのは、所有者や真証性を証明することが可能で、
現実の絵画のように資産価値を持つものとして注目されています。
NFTアートの中には数百万〜数億円という値段が付く作品も存在します。
日本のアート産業に関する市場調査 2020 (アート東京 / 芸術と創造調べ)によると、
日本は美術館の来場者数が世界トップクラスのようです。
日本人は元々アート好きな国民性ですが、
アート作品の流通総額は全世界のうち3%以下です。
日本人のアートの
- 鑑賞
- 購入
の間には、大きな隔たりがあります。
現代アートと骨董を含む全世界のアート市場規模は、現在約6兆〜7兆円であり、
日本の市場は3000億円ほどで、
さらに現代アートに限ればわずか300億円程度にすぎないです。
その背景には、これまで日本国内に
アート作品を買う場所がなかったという問題があります。
特に一般消費者のアート売買の場は、ほぼギャラリーと百貨店のみであり、
一般の消費者に広くアート作品が流通しているとは言い難いです。
そうした誰でもインターネットを通じてアートを買える市場が生まれました。
つまり、
- 時代性:所有の概念が変化していること
- 新規性:これまでアートを購入できる手段がなかったこと
などによって選択肢や機会さえあればアート作品を誰でも売買できるようになりました。
しかし、NFTを持っている日本人はまだ少ないのが現状です。
Finder’sが2021年9月の調査で20か国/28,000人以上へのリサーチした結果、
NFTが何かわからないと回答したのが最も高いのは日本で90%です。
最も低いのはフィリピンで49%でした。
NFTを持っていると回答したのが
フィリピンが32%、タイが27%、マレーシアが24%です。
日本は最も少ない2%でした。
つまり、これからNFTを購入を考えている人は非常にレアな人ということがわかります。
今回はNFTアートについてわかりやすく説明していきました。
NFTアートになぜ値段が付くのか?
現在BitCoin(ビットコイン)などの仮想通貨のブームが続いている中で、
NFTへの投資額は2020年に299%増加しています。
そもそもNFTアートになぜ値段が付くのかということを疑問に浮かべると思います。
これは役に立つと意味があるという2軸で考えると、わかりやすいと思います。
- 役に立つ
- 意味がある
例えば、自動車で考えましょう。
意味がある | 意味がない | |
役に立つ | BMW,ベンツ | トヨタ,日産 |
役に立たない | フェラーリ,ランボルギーニ | – |
役に立つか意味があるかのどちらかでしか、世の中に居場所を与えられません。
日本のトヨタや日産の車などは役に立つが意味はないというカテゴリーです。
この領域は価格にして100万円から300万円までで入手しやすいですし、
移動手段としては役に立ちます。
ただ買う人にとっての生きがいとか、
乗っていることで人生が変わるかといったものではないですよね。
欧州メーカーであるBMWやベンツは意味が価値の車が多いです。
乗る意味という感性価値を与えています。
さらにタリアのフェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーは、
数百万馬力のエンジンを搭載しています。
当然日本の法定速度から考えればオーバースペックであり、日常に使う車ではないです。
もちろん燃費も悪く、快適で効率的な移動手段という側面からは
まったく評価できないです。
ただ単に爆音を発して突進するというシロモノでしかありません。
にもかかわらず、こういった役に立たない自動車に
数千万円、あるいは億単位のお金を払っても欲しがる人が後を絶たないのです。
つまり、こうしたスーパーカーを購入する人にとっては
唯一無二の意味を与えてくれる存在なのです。
役に立つレベルが低い車のほうが値段が高いのです。
- 役に立つ→付加価値があまり付きづらい
- 意味がある→付加価値が付きやすい
NFTアートも所有してもただの画像ファイルであり役には立たないんですが、
意味はあります。
そうした意味があるからこそNFTアートも数百万〜数億円の値がつくわけです。
ではなぜNFTアートには意味があるのかを深堀りして解説していきましょう。
NFTアートがなぜ意味があるのか?
- 希少性があるから
- コミュニケーション価値があるから
- アイデンティティに繋がるから
希少性があるから
意味があるというのは希少性という部分も含まれます。
- 限定品のフィギュア
- 〇〇年もののウイスキー
- プロ野球選手が使ったグローブ
- アイドルのサイン入りTシャツ
なども希少性によってコレクターやマニアにとっては意味があるわけです。
アートの価値も需要と供給の関係で決まります。
人気のある物故作家は需要も高いですし、
供給が少ない(もう新作は生まれない)ので、信じられないほど高価なんですね。
これは意味があるという考え方ができます。
NFTアートも同様にその数が限られていることや、
複製ができないことなどによる、需給の原理で決定されます。
ですのでNFTアートには希少性があるので意味があり値がつきやすいです。
コミュニケーション価値があるから
現在のほとんどの先進国は、人口の8割以上が都市に住んでいます。
東京などでもそうですね。
都市化によって人間のコミュニティを形成する方法を変えてしまいました。
都市は人が多いですが実は人と人との繋がりが少ないんですね。
人間関係が希薄化すると多くの人たちは人との繋がりを求めます。
では、どのように私たちは人との繋がろうとするのか
一般的なものは以下のようになります。
- 趣味で繋がる
- プロスポーツなどで繋がる
- 好きなアーティストで繋がる
プロスポーツやバンドのTシャツを考えてみましょう。
Tシャツの機能価値というのは、以下のようになりますが、
- 汗を吸う
- 温度を保つ
プロスポーツやバンドが販売しているTシャツに求めるのは機能性よりも
- コミュニケーション価値
- 仲間を見つける価値
があります。
こうしたプロスポーツやバンドなどのTシャツは、
役に立つではなく意味があるから購入しているんですね。
例えば、プロスポーツチームの背番号が入ったTシャツで応援するのも
同じようにチームを応援する仲間とコミュニケーションを取りたいからです。
ライブのTシャツも同様に同じファンと繋がりを求めるからです。
プロスポーツやバンドが販売しているTシャツを身につけることで、
ファンの中で共通言語になるわけです。
これはNFTアートも同じです。
NFTアートも意味を知っている人には刺さり、コミュニケーションが生まれます。
- 仮想通貨が好きな人と繋がれる
- NFTが好きな人と繋がれる
- 面白いことをやっている人と繋がれる
そうした人たちはNFTアートも購入してコミュニケーションが生まれます。
これこそがコミュニケーションの価値なんですね。
アイデンティティに繋がるから
さらに大事なのは、人とのコミュニケーション価値よりも自分のアイデンティティです。
プロスポーツやバンドなどは、固有のアイデンティティを生み出します。
- スーパーカーに乗っている自分
- プロスポーツチームを応援している自分
- ワインについて詳しい自分
- バンドのコアなファンである自分
- ブランド品を身に着けている自分
というように人と繋がるというコミュニケーションの意味だけではなく、
自分の自己表現として意味があると感じるわけです。
特にわかりやすいのがアパレルブランドなどですね。
アパレルブランドはコミュニケーション価値ではなく、
自己表現であるアイデンティティの価値を販売しているわけです。
これはNFTアートも同様です。
- 仮想通貨に詳しい自分
- NFTアートを買えるだけ財力がある自分
- 流行を先取りする自分
- 貴重なNFTアートを持っている権威ある自分
というアイデンティティが生み出されるわけです。
NFTアートのメリット
- 誰でもNFTアートを作成することができる
- 将来的に高値になる可能性が大きい
- ギャラリーやアート会社を介さなくても購入できる
誰でもNFTアートを作成することができる
NFTアートは作品の作り方は従来のデジタルデータを作るのと何だ変わりが無いです。
画像であれば、イラストレーターやフォトショップなどを活用することで、
誰でもNFTアートを作成することが可能です。
NFTプラットフォームを活用すれば世界中のどこにいよう
将来的に高値になる可能性が大きい
NFTアートは誰でも公平な取引ができるため、投資対象としても注目されています。
元々2017年に生まれたNFTアートですが、注目されたのは2021年と最近です。
ギャラリーやアート会社を介さなくても購入できる
通常のアートなどはギャラリーやアート会社などを介して購入する必要がありますが、
NFTアートはNFTのマーケットプレイスで自由に売買することができるため、
ギャラリーやアート会社を介さなくても購入できます。
NFTアートのデメリット
- 一時的なブームで終わる可能性がある
- ITリテラシーが低い人は購入のハードルが高い
- 取引手数料がかかる
一時的なブームで終わる可能性がある
NFTアートもメインはコレクションよりも転売や投資がメインです。
しかし、NFTアートが一時的なブームだけで終われば、当然価値も暴落しますし、
また、これまで投資経験がなければ、なおさら価値が目減りしてしまう恐れがあります。
ITリテラシーが低い人は購入のハードルが高い
NFTアートを購入するには
- 取引所の開設
- ウォレットの作成
- NFTのマーケットプレイスの登録
などのステップを段階的に踏んでいく必要があります。
ですので、パソコンやITが疎い人にとっては非常にハードルが高いです。
取引手数料がかかる
NFTアートに関わらず、Dapps(分散型アプリケーション)を利用する際に
Ethereum(イーサリアム)の取引手数料の高さが問題になっています。
NFTアートに関しては、手数料の高さを安く抑えるために
Ethereum(イーサリアム)以外のブロックチェーンである
Polygon(ポリゴン)を採用したりなど対策をしています。
NFTアートのマーケットプレイス
- OpenoSea(オープンシー)
- Rarible(ラリブル)
- Coincheck(コインチェック)NFT
- Miime(ミーム)
OpenoSea(オープンシー)
OpenoSea(オープンシー)は2017年にサービスが始まっている
NFTのマーケットプレイスプラットフォームです。
現在OpenoSea(オープンシー)はNFTマーケットプレイスの中で、
最大規模の取引額を誇っています。
OpenoSea(オープンシー)はNFTを無料で発行することが可能で、
オークション形式や即購入の仕組みなどもあります。
OpenoSea(オープンシー)はHPも日本語対応となっており、気軽にチェックできます。
Rarible(ラリブル)
Rarible(ラリブル)とは、
誰でも簡単にNFTを取引することが可能なNFTマーケットプレイスです。
Rarible(ラリブル)の最大の特徴は、
UIが非常にシンプルでOpenoSea(オープンシー)に比べて簡単にNFTを売買できます。
また、Rarible(ラリブル)のは独自トークンであるRARIを使えます。
Coincheck(コインチェック)NFT
Coincheck(コインチェック)は仮想通貨を売買する日本の取引所です。
Coincheck(コインチェック)は2021年3月24日に
取引所で扱う仮想通貨とNFTを交換できる
Coincheck NFTの提供を開始しています。
Coincheck NFTでは独自のマーケットが用意されており、
ユーザーは誰でも簡単にNFTを出品することが可能ですし、NFTを購入もできます。
Miime(ミーム)
Miime(ミーム)はゲームのキャラクターやアイテムを始めとした
NFTデジタルアイテムをユーザー同士で売買することができるマーケットプレイスです。
NFTアートの始め方
- STEP1仮想通貨取引所のアカウントを作成する
NFTアートを売買するにはEthereum(イーサリアム)が必要です。
そのためEthereum(イーサリアム)を扱っている国内取引所のアカウントが必要です。
個人的におすすめはCoincheck(コインチェック)です。
Coincheck(コインチェック)であれば、
コインチェックが運営している
NFTマーケットにログインできるのでおすすめです。
【口コミ・評判】Coincheck (コインチェック)の口座開設方法やメリット・デメリットについてわかりやすくまとめてみたCoincheck (コインチェック)では、約170万のユーザーを有する仮想通貨取引所です。 Coincheck(コインチェック)は東証一部上場のマネックスグループのグループ会社であり、 国内最大級の16種類の仮想通貨を購入することができます。 今回は、Coincheck (コインチェック)の口座開設方法やメリット・デメリットについてわかりやすくまとめてみました。 - STEP2MetaMask(メタマスク)を作成する
NFTコンテンツの保管にはWebウォレットが必要になります。
また、ウォレットはNFTアートを購入する際にも使います。
現在、NFT売買ではメタマスクというウォレットを使うのが一般的です。
MetaMask(メタマスク)をダウンロードしてウォレットを作成します。
MetaMask(メタマスク)とは?メリット・デメリットや登録方法についてわかりやすく説明してみたMetaMask(メタマスク)とは MetaMask(メタマスク)は Ethereum(イーサリアム)系のトークンを保管するためのWebウォレットになります。 MetaMask(メタマスク)はブロックチェーンと連携した... - STEP3仮想通貨取引所からウォレットに入金する
次にCoincheck(コインチェック)で購入したEthereum(イーサリアム)を
MetaMask(メタマスク)のウォレットに移行させます。
- STEP4NFTマーケットプレイスに登録する
- STEP5NFTアートを探し購入する
NFTマーケットプレイスに登録できたら、
お目当てのNFTアートを探して購入しましょう。
NFTアートの稼ぎ方
- NFTアートに投資して稼ぐ
- NFTアートを作って稼ぐ
NFTアートに投資して稼ぐ
NFTアートへの投資とは、
デジタル作品の価値が上がることを期待して所有権を買います。
もちろんそのNFTアートが価値が下がる可能性がありますが、
中には高騰するものもあるので、NFTアートの見極めが大切になります。
NFTアートを作って稼ぐ
NFTアートは誰でも自由に販売することが可能なので、
NFTアートに投資をして稼ぐよりも敷居が低いと思います。
NFTアートを作ったからと言って稼げるのか?と思う人がいると思いますが、
18際のデジタルアーティストのビクター・ラングロワ氏は、
なんと約2億4000万円の値がついています。
18歳のデジタルアーティスト、
ビクター・ラングロワ(FEWOCiOUS)氏が販売したNFTが、
オークションで216万ドル(約2億4000万円)の値をつけた。
オークション初日には、ウェブサイトがダウンするほどの人気ぶりだ。
クリエイターやアーティストにとっては稼ぐ世界が広がっています。
NFTアートの税金
NFTアートなどに関してはほとんどなにも法律などは無いです。
そうした場合は既存の法律に沿って考える必要があります。
販売する側
NFTアートを出品して売れた場合、売却額が利益になります。
例えば、OpenSea(オープンシー)でETHで売れた場合、
日本円でそのETHがいくらかをその都度記録する必要があります。
後日その売上のETHを日本円に替えるときに、
値上がりしてたらその分も利益です。下がってれば損失になります。
購入する側
購入する側はETHをいくらで取得して購入時にETHがいくらになっているのか
その差額が利益または損失になります。
つまり、購入のたびにETHの利益確定が行われています。
まとめ
NFTアートは多くの企業やアーティストが続々と参加しており、
元々のアート市場が約6兆〜7兆円なので、
投資家なども期待している非常に面白い市場となります。
また、自分でNFTアートを作ることができるので、
アーティストやクリエーターにとっても作品価値を高める可能性を秘めています。
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