ストック・フローモデル(S2F)理論とは?
ストック・フローモデル(S2F)理論とは、
2018年にplanBというオランダの機関投資家によって
提唱されたモデルになります。
世の中に存在する商品は需要が高まれば、生産量(供給量)も比例して増えます。
人気な商品は大量生産することで企業は売上を伸ばすことができるからです。
しかし、流通量が増えれば在庫が多くなるので価格が落ち着くという原理になっています。
しかし、金などは地球上に50mプール4つ分しかないという希少性があります。
たくさん金を作りたくても限定されているわけです。
そのため市場に存在する量(需要)に対して、
生産可能な量(供給)を増やすことができないので、価格が安定することになります。
ストック・フローモデル(S2F)はストック・フロー比率から分析するモデルで、
市場に存在する
- 市場に存在する量(ストック)
- 年間供給量(フロー)
から算出されています。計算式は以下のとおりです。
金や銀などのコモディティの希少性と価値を図るモデルとして利用されていますが、
BitCoin(ビットコイン)もデジタルゴールと呼ばれており、
BitCoin(ビットコイン)も金と同様な動きが確認できます。
また、半減期などの希少性が価値が高まるイベントとの関係性が大きいです。
BitCoin(ビットコイン)の場合の計算式は以下のとおりです。
値動きにも金との相関性がある場合が多く当てはめて価格予測の参考として使われます。
金やビットコインなどのストックフロー比率は以下の通りとなります。
商品 | ストックフロー比率 | 時価総額 |
ゴールド | 61.7 | 約1,240兆円 |
ビットコイン | 56 | 約100兆円 |
シルバー | 22 | 約160兆円 |
プラチナ | 0.4 | 約2,600億円 |
planB氏によると、2025年には100万ドル(1億円)を超える予想となっています。
ストック・フローモデル(S2F)に基づいた価格は
今のところはチャートに当てはまっています。
しかし、ストック・フローモデル(S2F)は万能な理論ではなく、
必ずしも理論通りになるとは限らないです。
しかし、長期的な時間軸であれば、現在はシミュレーションどおりなので、
少なくとも2024年の次の半減期を迎えるまでは
ストック・フローモデル(S2F)は参考になるモデルの1つになります。
S2Fモデルの改良版であるS2FXモデルもある
ストック・フローモデル(S2F)を提唱したPlan氏によって、
より正確に金や銀などと比較するために
S2FXモデル(Stock-to-Flow Cross Asset)が提唱されました。
S2FXモデル(Stock-to-Flow Cross Asset)を簡単に説明すると、
BitCoin(ビットコイン)は半減期を迎えるたびにストックフロー比が倍になります。
BTCの2021年現在のストックフロー比率は50です。
4年ごとの半減期を経るたびに倍化したBitCoin(ビットコイン)のストックフロー比から
現在変化を考慮してより正確な予想をしようとしています。
ストック・フローモデル(S2F)の注意点について
- 供給面のみしか考慮されていない
- 理論価格を大幅に下回ることもある
供給面のみしか考慮されていない
ストック・フローモデル(S2F)の理論値は過去のBitCoin(ビットコイン)の価格と
ストック/フロー比率から統計的に算出された理論価格になり、
新規発行という供給量のみを考慮して算出されています。
BitCoin(ビットコイン)の価格が大きく上昇するにつれて、
利益を上げるためにマイニングマシンを大量に導入する企業などが増えて、
現在は、大手マイナーが大半を占めており、今後もマイナーの数が限定されていくと、
ビットコインを取り巻く状況が大きく変わるかもしれません。
つまり、このストック・フローモデル(S2F)は、
- 実需
- マイナーの撤退行動
などを考慮していないという指摘があります。
理論価格を大幅に下回ることもある
過去にはストック・フローモデル(S2F)の理論価格を大幅に下回ることがあります。
なので、中長期的な目線として参考程度に留めておくことが良いです。
まとめ
ストック・フローモデル(S2F)理論について解説しました。
ストック・フローモデル(S2F)理論に基づいた価格は、
今のところチャートに当てはまっていますが、
この先必ずしも理論通りになるとは限らないということは肝に銘じておきましょう。
しかし、長期の時間軸でBitCoin(ビットコイン)の値動きを見た場合には、
今のところシミュレーション通りに価格が推移しているので、
少なくとも2024年の次の半減期を迎えるまでは、
ストック・フローモデル(S2F)理論に忠実な値上がりが自然であると考えられます。
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