マルチシグネチャー(マルチシグ)とは
マルチシグネチャー(マルチシグ)とはMulti(複数の)Signature(署名)を意味します。
送金するために必要な秘密鍵を複数にする仕組みです。
基本的な送金の場合はシングルシグと呼ばれる方法を使います。
1つの秘密鍵による署名でビットコインが送金することができます。
しかし、シングルシグの場合、秘密鍵が1つなので盗まれてしまった場合、
ハッキングされるリスクがあります。
実際に日本のCoincheck(コインチェック)のNEM(ネム)のハッキングは、
マルチシグを採用していなかったことも原因の1つと言われています。
一方でマルチシグの場合は、ビットコインの送金に複数の秘密鍵が必要になるため、
シングルシグに比べて安全性がより高いです。
マルチシグのメリット
- セキュリティの向上
- 秘密鍵紛失のリスクヘッジ
- 誤送金のリスクヘッジ
セキュリティの向上
マルチシグはセキュリティの向上の効果があります。
マルチシグでは秘密鍵を複数使用します。
鍵が1つだけの場合よりも複数ある方がハッキングリスクは少なくなります。
仮にサーバー攻撃して鍵を一つ盗んだとしても
他の鍵がなければ署名は難しいですし、
正しい鍵が揃わなければデータを署名することはできないので、
鍵が多ければ多いほど安心ができます。
秘密鍵紛失のリスクヘッジ
仮想通貨のセキュリティは秘密鍵によって管理するので、
鍵がなければ取引することができないです。
シングルシグの場合は、秘密鍵が1つしか無いので、
その1つの鍵を紛失してしまうと取引データを署名することができなくなります。
つまり、秘密鍵をなくした時点でアドレス内にある資産を利用することができません。
しかし、マルチシグは秘密鍵が複数あります。例えば、2 of 3というように設定すれば、
1つの鍵を紛失しても他の鍵で署名することが可能です。
誤送金のリスクヘッジ
マルチシグによって誤った内容で送金してしまうリスクを防ぐことができます。
複数の鍵を使用するということは、何度も署名を行う必要があります。
通常であれば、署名するたびに送信内容を目にします。
1回目で誤った内容を見逃したとしても2回目の署名で気づく可能性があります。
すると、署名する回数が多いほど誤送信のリスクが緩和されます。
マルチシグのデメリット
- 秘密鍵の管理が手間
- 手数料がかかる
- 悪用されるリスクもある
秘密鍵の管理が手間
セキュリティが教科されている一方で、
セキュリティに管理に必要な鍵の管理が面倒になります。
同じ場所で秘密鍵を保管してしまうと、
盗まれた時に全ての資産を失ってしまう恐れがあります。
ですので、必ず別々の場所で保管しなければなりません。
個人でリスクを抑える場合は、異なるデバイスなどで保管するのがマストです。
ただし、デバイスが増えるほど手間が掛かります。
手数料がかかる
秘密鍵の数が増えればシステムはより複雑になります。
1つだけの鍵を必要としないシングルシグニ比べてマルチシグの機能は複雑です。
機能の複雑は設定や送金の費用に関わってきます。
そのためマルチシグを利用する場合は追加で手数料が掛かるのが通常です。
悪用されるリスクもある
第三者が自分の秘密鍵を持っている可能性もあり悪用される恐れもあります。
常にリスクを最低限に抑えながら、一つでも紛失した時点で、
秘密鍵を換えたほうが安心です。
まとめ
今回はマルチシグネチャー(マルチシグ)について紹介しました。
秘密鍵が1つしかないシングルシグニ比較すると、
マルチシグネチャー(マルチシグ)はセキュリティが高く、
秘密鍵を紛失した場合でも取り扱いが簡単です。
また最近ではマルチシグネチャー(マルチシグ)を取引所や
ウォレットでも採用されているので比較的ハッキングリスクなどが少なくなっています。
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