ビットコインアドレスとは
ビットコインアドレスは取引をする際に受け渡しをする口座番号のようなものです。
銀行では相手の口座番号を指定して送付しますが、
BitCoin(ビットコイン)も送付するときはビットコインアドレスを指定します。
ビットコインアドレスの実体は英数字で構成された文字列です。
具体的には、以下のようなイメージになります。
上記は世界で初めてビットコインを受け取ったアドレスです。
一般的なビットコインアドレスは27文字〜34文字の英数字を組み合わせたものです。
一般的なIDとは違い、判読が困難な文字列でできています。
これは秘密鍵から生成した公開鍵に
1方向の暗号学的ハッシュ化によって生成されているからです。
ビットコインアドレスの仕組み
BitCoin(ビットコイン)の管理には
- 秘密鍵
- 公開鍵
と呼ばれる2種類の鍵が利用されます。
ビットコインアドレスは2つのうち公開鍵を利用して作られています。
それぞれについて説明します。
秘密鍵とは
秘密鍵とはBitCoin(ビットコイン)を保有している人だけが知っているものです。
秘密鍵は原則として持ち主だけが知っている情報です。
秘密鍵は、銀行の口座の暗証番号と同じですので他人に教えてはダメです。
公開鍵とは
公開鍵は誰でも知ることが可能できる鍵です。
公開鍵は秘密鍵を暗号化することによって不可逆的に生成することができます。
秘密鍵を特定の手順で変換すると、公開鍵が導出されて、
公開鍵をさらに変換するとビットコインアドレスが得られます。
この変換は数学的なロジックの上に成り立っています。
公開鍵は秘密鍵から生成されますが、
公開鍵から秘密鍵を導出することは数学的に不可能といわれています。
公開鍵暗号方式とは
公開鍵暗号方式とは、
対になる2つの鍵を利用してデータの暗号化と復号化を行う暗号方式になります。
鍵は第三者に公開する公開鍵と自分しか知らない秘密鍵の2種類です。
公開鍵暗号方式の使用法にはデータの暗号化と署名の2つがあり、
BitCoin(ビットコイン)の場合は署名のみ使用します。
また、ビットコインアドレスからさかのぼり秘密鍵を引き出すことも不可能です。
秘密鍵→公開鍵→アドレスという方向の変換は可能ですが、逆変換はできません。
公開鍵暗号方式のメリット
公開鍵暗号方式は非常に堅牢な暗号方式です。
公開鍵暗号方式をハッキングしようとすると膨大な計算が必要となるため、
非常にに堅牢なセキュリティを保つことができます。
公開鍵暗号方式のデメリット
複雑な計算処理が必要というのはメリットだけではなく、デメリットにも繋がります。
公開鍵暗号方式を利用してデータの受け渡しをする際に、復号作業も負担が大きいです。
そのため、大きなデータを暗号化して受け渡す場合には向いていません。
もちろん、大きなデータであっても堅牢性を高める必要がある重要な
データである場合は公開鍵暗号方式を利用したほうが良いかもしれません。
マルチシグネチャー(マルチシグ)とは
マルチシグネチャー(マルチシグ)とはMulti(複数の)Signature(署名)を意味します。
送金するために必要な秘密鍵を複数にする仕組みです。
基本的な送金の場合はシングルシグと呼ばれる方法を使います。
1つの秘密鍵による署名でビットコインが送金することができます。
しかし、シングルシグの場合、秘密鍵が1つなので盗まれてしまった場合、
ハッキングされるリスクがあります。
実際に日本のCoincheck(コインチェック)のNEM(ネム)のハッキングは、
マルチシグを採用していなかったことも原因の1つと言われています。
一方でマルチシグの場合は、ビットコインの送金に複数の秘密鍵が必要になるため、
シングルシグに比べて安全性がより高いです。
マルチシグは通常のビットコインアドレスとは異なり、
マルチシグの必要な署名数は2/3のように分数で表されています。
この場合、事前に作られた3つの秘密鍵のうち2つの鍵で署名が必要になります。
マルチシグを採用することで高いセキュリティのウォレットを構築することができますし、
マルチシグを採用することで最重要データである秘密鍵が仮に1つ漏洩しても、
別の鍵がなければ送付が出来ないです。
ハッキングする人が2つ以上の別々で設計したプラットフォームを同時に侵略は困難で、
高セキュリティを構築できます。
まとめ
今回は、ビットコインアドレスや公開鍵と秘密鍵や公開鍵暗号方式の仕組みを
ご紹介しました。送金の仕組みを理解することが、
ブロックチェーンの仕組みを理解することにも繋がっていくので、
しっかりと公開鍵や秘密鍵などの知識をちゃんと持っておきましょう。
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