DAO(自律分散型組織)とは
DAOとはDecentralized Autonomous Organizationの略語であり、
日本語にすると自律分散型組織となります。
DAOは特定の管理者や主体を持たない分散型組織であり、
組織内の階層構造もなければ、構成員一人ひとりによって自律的に運営されています。
DAOには管理者がいないため、組織の意思決定や実行などは
構成員の合意により予め定められたルールに従って執行されます。
DAOはスマートコントラクトの応用によって機能します。
スマートコントラクトは契約実行のためにコンピュータープロトコルによって
条件の確認から履行までを自動的に執行します。
このスマートコントラクトを応用することでDAOが実現可能となります。
実際に米ワイオミング州で、自律分散型組織(DAO)を企業として認める法案が、
上院で可決されています。
従来の組織とDAO(自律分散型組織)の違いについて
従来の組織はミッションに対してビジョンがありその下に組織を作ります。
それに対してDAO(自律分散型組織)はミッションに共鳴する人たちが、
自由に集まりそれぞれのビジョンを描きます。
組織としては経営者がいる組織と経営者がいない組織、
労働者がいる組織と労働者がいない組織に分かれます。
労働者がいる | 労働者がいない | |
経営者がいる | 株式会社 | ロボットを使う企業 |
経営者がいない | DAO or DAC | AIによる完全自動企業 |
この4象限の中で、
経営者がいて労働者がいない組織:ロボットを使う会社
経営者がいなくて労働者がいる組織:DAO or DAC
経営者がいなくかつ労働者がいない組織:AIによる完全自動企業
このように、ブロックチェーンは組織のあり方を変える可能性があるといわれています。
DAO(自律分散型組織)によって変わる組織の変化
- 個人の力が強くなる
- 法人といった概念の必要性が薄まる
- 法人にとって、独占的な利益を創出しづらくなる
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個人の力が強くなる
サービスの提供に掛かるコストが下がり、参入障壁が低くなるので、
コストの関係でできなかったサービスなどが提供できるようになっていきます。
自分で適切な仕事を選んでいくことになっていきます。
法人といった概念の必要性が薄まる
今までは法人という概念を信じてきましたが、
DAO(自律分散型組織)が進むと
スマートコントラクトに書かれているコードを信じることになります。
結果的に法人に払っていた仲介コストや保障コストがかからないので
より直敵的なやり取りへと移行して法人の概念の必要性が薄まります。
法人にとって、独占的な利益を創出しづらくなる
データやロジックが公開されてブロックチェーンによって
オープンに利用できるということは独占的な利益を出しづらくなることを示しています。
つまり、透明性が高まることによって競争がより活発になります。
すると巨大企業が今までのように独占してやっていくことはできないので、
より個々に分散されたニーズに答える必要があるようになっていきます。
DAO(自律分散型組織)の問題点
- The DAO事件
- 例外的な事象が発生することもあり得るということ
- プログラムコードと実世界の法との関係
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The DAO事件
The DAO事件があります。
The DAO事件はEthereum(イーサリアム)上に作られた自立型投資ファンドが、
1.5億ドル集めた際にThe DAOのシステムにバグが発生して、
5,000万ドル相当のイーサー(Ether)が盗難された事件です。
これはEthereum(イーサリアム)そのものの問題ではなく、
The DAO側のコードが問題でした。
この事件より、Ethereum(イーサリアム)がハードフォークするに至り、
EthereumClassic(イーサリアムクラシック)が
立ち上げられたことでも話題となりました。
例外的な事象が発生することもあり得るということ
そもそもコーディングプログラムでは全ての問題が解決するわけではなく、
想定しないことも起きるので、
例外的な事象が発生することもあり得るというリスクが潜んでいます。
プログラムコードと実世界の法との関係
プログラムコードと実世界の法との関係があります。
もし仮にトラブルが起きた場合は実世界の法律に基づき裁かれなければなりません。
その際の裁判や仲裁などのあり方を検討しておく必要があります。
DAO(自律分散型組織)の応用
- BitCoin(ビットコイン)
- DeFi(分散型金融)
- 自律分散型図書館DAOLIB
- Colony(コロニー)
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BitCoin(ビットコイン)
BitCoin(ビットコイン)も実はDAO(自律分散型組織)である
DAOの先駆けとも言えるのがBitCoin(ビットコイン)です。
DAO(自律分散型組織)の最も有名で成功例なのはBitCoin(ビットコイン)です。
BitCoin(ビットコイン)は発行主体も管理者も存在しませんが、
BitCoin(ビットコイン)のシステムを継続させるためにはマイニングが必要です。
BitCoin(ビットコイン)はマイニングによる報酬としてBTCが与えられるという
インセンティブシステムを用意してネットワークの維持を実現して
DAOとして機能しています。
DeFi(分散型金融)
DeFi(分散型金融)のプロダクトやサービスもDAOと言うことができます。
DeFi(分散型金融)はDecentralized Financeの略で、
一般的に分散型金融と訳されています。
分散型というのは特定の運営者がいないということです。
つまり、DeFi(分散型金融)は
特定の運営者なしで稼働する金融システムなんですね。
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自律分散型図書館DAOLIB
自律分散型図書館DAOLIBと呼ばれる次世代型図書館の構想があります。
この自律分散型図書館DAOLIBは、
従来のような利用者と管理者を分けて、図書データを管理する既存の図書館から
利用者と管理者を同一にして中央管理者としての図書館の役割を無くす試みです。
友達同士の本の貸し借りは信頼関係が成り立っており、
規模が小さいので管理の必要性が殆どないため可能ですが、
不特定多数の人と貸し借りをやると上手く行かないです。
そうした問題点をブロックチェーンで管理することで、
中央管理者がいなくても本の貸し借りができる図書館が実現可能になります。
Colony(コロニー)
Colony(コロニー)とはクラウドソーシングの会社でフリーランスで働く人々が、
プロジェクトごとに直接協働ことができるプラットフォームです。
提案と投票により意思決定を行って貢献度に応じて評価する形を取っています。
まさにDAO(自律分散型組織)と行った形ですね。
まとめ
DAO(自律分散型組織)は革新的な組織形態でありますが、
まだまだ課題も多く残っています。
これから先の新しい働き方としてDAO(自律分散型組織)が注目されていくでしょう。
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